こんにちは。
榊です。
前回に引き続き、ドタバタ帰国劇のお話です。
前回を箇条書きで簡単にまとめると、
- 日本政府が中国、イラン、韓国からの入国者を対象に二週間の隔離を発表
- 榊の持っている航空券は中国経由
- 4月1日入社予定
- 帰国便は3月22日成田着なので中国経由で帰ると入社に間に合わない
- 中国経由の航空券を捨て、ポーランド航空で再購入
- 往復航空券代:約7万→約13万
前回記事↓
次々と閉まる公共機関やお店
さて、ざっと前回のあらすじ(?)に続きまして3月頭、とてつもなく迅速な対応を見せるヨーロッパ各国です。
日本政府の対応と比べ物になりません。
地続きの国は簡単にいろいろ入ってくるので、そのあたりの認識が私自身足りていませんでしたね。
反省。
前回の記事でもお話しました、「中国経由で帰国すると2週間隔離される」というもの。
こちらの話が出たのがだいたい3月5日とかそこらへん。
↓こちらは日本経済新聞URL
そしてその後3月9日にポーランド経由の航空券を取りました。
前回記事に書くべきだったのですが、忘れてました。失礼。
そして、日程を変えたおかげでオペラ『蝶々夫人』をもう一度観に行けるぞ~!!と思っていたのも束の間。
3月10日にプラハの国民劇場系列が全て閉まりました。
あんなに呆然としたのはいつぶりでしょうか。
そしてその翌日、なんと語学学校まで閉鎖。
過去最高に楽しいクラスで、「来週日本のお菓子持っていくからねー!!!」と言っていたところから一転、直接お別れを言うこともできず学校閉鎖。
この数日間はホントに喪失感が半端ではありませんでした。
そしてもう何もやることがありません。
人のいなさそうな時間、場所を見計らって街をプラプラするのみ。
(時々カフェによることもありました。)
街からもどんどん人が消えて行って不思議な感覚。
ポーランドの国境封鎖
帰国も約10日前に迫った金曜日、語学学校で仲良くなった日本人のお姉さんとカフェでゆっくりお茶をしていました。
コロナが心配なので室内ではなく外。
まだ少し寒いものの、テラス席は太陽があたってぽかぽか。
大阪出身のお姉さんでお話も面白くて、バカみたいに笑いまくったのでそっちの意味でもずっとぽかぽかしてました。楽しい。笑
お姉さんはもうこちらに移り住んでいるので、私の帰国をとても心配してくださっていました。
とは言っても、中国経由のチケットは無駄になってしまったけれど、ちゃんとポーランド経由の飛行機を取り直したし、とりあえずは安心!と思っていました。
まさかポーランドが国境封鎖するとは思わないじゃないですか。
「来週帰る前にもう一回くらいお茶しようね!」と言ってお別れをしたその数時間後、こちらのツイートを発見。
(このアカウントはチェコのテレビ局で、NHKみたいなとこです。)
えー、こちらですね、簡単に言いますと
「ポーランドは日曜日から外国人が入国するのを禁止します!帰国したポーランド人は全員2週間自宅待機!ってポーランドの首相が今日発表したよ!」
という感じです。
ツイート時間が金曜日20:17、私がこのツイートを見たのがツイートの約1時間後。
寮の階段を上っている途中、自分が青ざめていくのがよくわかりました。
人間血の気が引いてくってあんな感じになるんですね。
自分で内容がわかるチェコ語ですが、万が一も考えて30回くらいGoogle翻訳にかけました。チェコ語→日本語、チェコ語→英語、英語に翻訳した原文→日本語、と何度も何度もやりました。
結果どう読んでも最初に理解した内容と同じ。
自分のチェコ語力の向上と、Google翻訳の精度が上がっていることに喜びを感じつつも、顔は真っ青です。やばい。
どうにも不安しかないので、数時間前まで一緒にいたお姉さんにそのままスクショを送信しました。
(お姉さんはチェコ人の彼氏さんと、そのご家族と住んでいらっしゃるためチェコ語も堪能、最後の最後の確認です。)
まぁ、普通に国境封鎖ですよね。
「経由地としてもアウトなのかな?」と聞いてくださったのですが、返事を待つ間にチケットチェックしてました。
チケットないです。
私のチケットは無効になっていて、普通にチケットを新しく買おうとしても、日曜日以降の日にちは先に進めません。存在しないんです。
人生で一番不安で死にそうになったのはたぶんここです。
人生で一番の不安に駆られている人間が震える手で行ったツイート。↓
まってまってまってまって
— 榊アキ (@29sakakiaki) March 13, 2020
やべぇえええええええええマジで帰れないかも
— 榊アキ (@29sakakiaki) March 13, 2020
ちなみにこの瞬間までの人生の一位は、先日チェコへ来る際の中国乗り換えです。(上海で謎の待合室に2時間放置され、その後乗った飛行機が謎に西安で降ろされ、職員に中国語でワ―――っと語気強めに話されたときです。)
人生最大のピンチを短期間で更新しすぎ。
むちゃ怖かったし、一生中国から出られないんじゃないかと思いました。(ガチ)
人生最速荷造り
さて、マジでやばいです。
チェコは日本への直行便が存在しないため、他の国を経由しないと帰国することができません。
この時すでにイタリア、スペイン、フランス、ドイツなどチェコよりも西側諸国は軒並みコロナでアウトな状態です。
さらに、チェコよりも少し東側のポーランドですら日曜日に閉めてしまうので、もう何が何でも日曜日までにポーランドに入国しなくてはなりません。
幸い、手数料はなしで別のフライトに変更できますよ~とHPに書いてありました。
しかし、ネットはなぜか使えない。繋がらないんです。
きっとチェコ以外の国からも、ポーランド経由で他の国に行こうとしている人が一斉にアクセスしていたからだと思います。
こうなっては直接空港に行って変更手続きをするしかありません。
もう次の日、土曜日の朝一の便が空いていれば、それに乗ってポーランドへ行くつもりでした。
冷や汗ダバダバの手が震える状態で荷造りです。
いつも前日やその日に旅行や留学の荷造りをする計画性のない榊ですが、今回は本当に頭ぐっちゃぐちゃの中で、ひたすら荷物をトランクに突っ込みました。
帰国後に開けたら、レシートとかビニール袋とか、ゴミまで入ってて笑った。笑
今回の短期留学で語学学校で出会った、同じ寮に滞在している外語大の女の子2人に連絡をして食料も引き渡しました。
丁度この日の帰りに、残り一週間分の食糧買い足したところだったんですよね。悲しい。
急な電話にも関わらず私の棟まで来てくれて本当にありがとうございました。
余ったチェココルナも渡して、本屋に行く機会があったらワークブック買っといて!!というクソみたいな頼み事もしてきました。
本当にごめんなさい。
しかも4月からコロナに加えて、限界社畜をやってて全く時間が取れず、全然連絡できていません。ごめん……。
彼女たちは中東のドーハ経由でチケットを取っていたので、私のようなドタバタもなく帰国していました。
(私もおとなしく中東経由にしておけばよかった……!!1月のウクライナ機撃墜でビビりまくった結果がこれです。現状況の方が怖いわ。)
先を読む力か、強運が欲しいものです。
さて、そんな言伝や食料の受け渡しも済ませ、浴室やベッド周りをざざっと掃除し、ツイート発見から2時間で退寮しました。
驚くべき速さ。
約2時間で荷物突っ込んで食料を寮の友人にたくして家族や大事な友人に連絡をして退寮してUber呼んで空港向かってるの意味わからんすぎて涙出てきた
— 榊アキ (@29sakakiaki) March 13, 2020
↑空港向かう車の中でツイートしていたのですが、ホントにめそめそ泣いていてドライバーのおっちゃんがめっちゃ心配してくれました。
泣きながらのチェコ語で簡単に話したら「大丈夫だよ!帰れるって!!」って言ってくれてちょっと安心した。
次回はドタバタでたどり着いた空港から、ポーランドを経由して帰国するまでのお話をしていきたいと思います。
今回の記事は3か月も経っているのにもかかわらず、思い出すだけで胃がキュッとなりました。
もう二度と経験したくありませんね。
Instagramでは留学中の写真をまとめています。
これらをトリミングしブログのサムネイルに使用していますので、興味のある方はぜひのぞいてみてください。
こちらの方が画質よく見ることができます。
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