友達になった中国人男性が、離陸前微熱で飛行機を降ろされていた話

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注意:記事の公開時期と実際に書いた時期とで時間がずれています。そのあたりをご理解の上お読みください。

 

前回記事

さて、前回に続いてコロナウイルス蔓延する中、中国経由でヨーロッパへやってきました榊アキです。

 

謎に西安で降ろされたときはビビりましたし、中国語しかしゃべってもらえず、書類もすべて中国語だったときは本当にもうダメかと思いました。

そんな私を助けてくれた日本語ができる中国人のお兄さん。
彼は独学で日本語を勉強する杭州出身の工学系大学院生でした。

無事イミグレっぽい何かを終え、一緒に飛行機を待ちながら、彼といろいろな話をしました。
楽しかったです。

 

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中国人が海外旅行時に取得しなくてはいけないビザ

コロナウイルスがはやり始めて、ネット上で「ウイルスが流行ってるから中国人が日本に逃げてきた」だの「日本でウイルスまき散らしたいからやってきたんだ」だのしょうもないこと言ってる人いましたよね。

今もいるのでしょうか。

ネット上でのそういった意見に対して「日本のパスポートと違って、中国のパスポートは日本に来るにも何か月も前から準備してビザを取らなくてはならない。病気が流行ったからってポンポン海外に逃げれるわけじゃないんだぞ。」というツイートを見かけましたが、果たしてどれだけの人が目にして理解を改めたのかは定かではありません……。

 

日本人をやっていると世界最強のパスポート(2020年現在)を持っているため、簡単に海外旅行できるのが当たり前な感じがどうしてもしてしまいます。(お金や時間の問題はとりあえず置いておきます。)
今月末暇だからちょっと韓国行こうかな~台湾行こうかな~なんて、隣近所の国ならポンポンできます。
そういう子普通にいますよね。

一番近いヨーロッパを感じられる海外として有名なウラジオストクはロシアになるのでビザが必要なのですが、こちらの都市はEビザがありますから取得にはそこまで手間もかかりません。

 

ところがどっこい、他の国はそこまでポンポンと海外に行けるわけじゃないんですよ。
プラハで語学学校に通っていると、様々な国からやってきた人たちと知り合うのですが、やはり何度かパスポートやビザの話になりました。

旅行だけでもビザが必ず必要な国がほとんどだったり、ビザを取らないで行ける国がほんの数十国しかないパスポートだったり、国によって事情はいろいろあります。

以前の留学時はシリア人のクラスメイトがいたのですが、彼とパスポートの話をしたら日本のパスポートに驚いていました。

 

中国のパスポートも同じで、今回仲良くなった彼もプラハとシチリアに行くために、何か月も前から準備をしていたそうです。

さらに、EUのシェンゲン圏に入ってしまえば自由にうろうろできる…、というわけでもありません。
プラハのあるチェコ、シチリアのあるイタリア、それぞれの国の観光ビザを別々に取らなくてはならないとのこと。

ビザの申請したことある人ならわかると思うんですけれど、一回その国の大使館にパスポートを預けるんですよね。
となると、預けている間はもう片方の国の申請はできません。もうめっちゃ時間かかる。
うぅぅぅううぅぅうう嫌な記憶が……。

 

(ビザ申請そのものよりも、申請に必要な書類を集める作業がゲロ大変でした。)

 

彼の持っているパスポートを見せてもらったところ、謎の紙が様々なページに張り付けてあってそれらをそれぞれ折りたたんでいるため、そこそこの厚さの冊子になっていました。

私のパスポートうっっっっっっっっす!!!!!!!!って感じでした。
(まぁ私のが5年用というのもあるのですが。パスポートに北斎の絵柄が新しく入ると聞いたので、以前の更新時に10年ではなく5年を選びました。なるはやで北斎バージョンが欲しい。)

 

ただ、詳しいビザの取得方法を聞いたわけではないので、もしかしたら短い観光であれば申請に時間がかからないかもしれませんし、パスポートを預けなくても紙を発行してもらって自分で張り付けたのかな~とか思ったり、思わなかったり…。

国の大事な書類なのでさすがにパスポートは預けるか。わからん。

 

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プラハで飲みに行く約束

彼は上海近くの杭州というところに住んでいるのだそうで、私がトランジットをした上海の空港が、彼の旅の出発地だったみたいです。
前の記事でも書いたように、上海の空港はほとんど人間がおらず、話によると上海のディズニーランドも休園中だとか。

この時日本では、まだチャーター機の第一便が羽田に着いたくらいで、国内での感染者もほんの数人でした。
「杭州は大丈夫なの?」と聞いたところ、「今のところはそんなに問題ないと思うよ。それよりも普通に今西安に降ろされたことの方が怖いかな。笑」と言っていました。

わかる。

情報もそこまで多くなく、とりあえず除菌シートで手やスマホを拭いてはいるものの、本当にこれで防げるのかわかりませんし、ウイルスで街が閉鎖されるなんて本当にあるんだと思っていたところです。

得体の知れないものって怖いですよね。

 

そんな話をしながら、私はいつか中国に旅行に行きたいんだよね~というところから、中国の様々な観光地を教えてもらい「杭州にも遊びに行くからね~」と約束をしました。

いつか彼が日本に遊びに来たら、横浜や鎌倉を全力で案内してあげようと思います。

最初の日本旅行で東京や大阪、京都に行かず、北海道の函館なんかを回って村上春樹作品の聖地巡礼してたって相当渋いですからね。
面白い人です。北海道とはまた違った日本を、上海とも違うアジアの都会を楽しんでもらいたいものです。

 

それと一緒に、これから乗る数十時間の飛行機を降りたら、彼はプラハに1週間ほど滞在するとのことでした。
私が約一年過ごしたプラハです。これはもう全力でおいしいお店やちょっとコアな観光地に連れて行くしかありません。

最高に美味いチェコビールを飲ませてあげなくては!!!と謎の使命感。(おせっかいおばさん感)

プラハに到着してから語学学校が始まるまで少し時間がありますし、一緒に観光や夕飯を食べる約束をして飛行機に乗り込みました。
彼は飛行機の前の方の席、私はかなり後ろの方。

 

久々のプラハと、新しい友達ができたこと、いろいろな気持ちが混ざり合ってとてもワクワクしていました。

 

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プラハへ到着した榊

西安からプラハへの機内は前回記事に書いてありますが、そこそこ快適でした。
一人で2席使ってましたからね。快適快適。

離陸前に全員熱がないか診られて、その関係か出発が大幅に遅れました。
もちろん到着も。

 

中国国内にいたときは空港のWi-Fiもポンコツで、仲良くなった彼のInstagramもフォローできずにいました。
ようやくプラハに到着したので、イミグレ待ちの時間でWi-Fiに接続します。
同じ飛行機から降りた人がわらわら~と並んでいるので彼を軽く探したのですが、見当たりません。
前の方に座っていたのですぐ出て行ってしまったのかなと思っていました。

彼のInstagramをフォローした後割とすぐに英語でぽんぽんぽんっとDMが来ました。

 

曰く「もうプラハについたかな?実は僕、微熱で飛行機を降ろされちゃった。今西安の病院に運ばれて入院しています。プラハで一緒におでかけできなくなっちゃった。ごめんね。」と。

 

「え!!?!?!!!?????」

 

もうなんと言ったらいいのかわかりませんけど、とりあえず彼大丈夫なんでしょうか。
そして大丈夫なんでしょうか、私。

コロナウイルスだったらやばいです。マジで。
今から友人宅にお邪魔するのにこんなことになってしまって。ビビり散らかしてます。

数時間は確実にずっと隣でお話してましたからね。濃厚接触ですよ濃厚接触。

中国人の彼はそのまま続けて「高熱が出ているわけではないから、とりあえず大丈夫だと思うけど、今検査の結果待ちなんだ。結果が出たらすぐに連絡するからね」とメッセージをくれました。

 

まぁ空港でいろいろ悩んだところでどうしようもありませんし、中国からの便だし何か検査…まではしてくれなくても、入国の際に色々聞かれるでしょうから、彼の話をして指示を仰ごうかなと思いました。

幸いここはチェコ共和国です。
英語ができなくても、中国語ができなくても、チェコ語が少しできれば言いたいことをある程度は伝えられますし、言っていることを完全に理解できなくともある程度の推測は可能です。

 

が、

イミグレってなんか会話しませんでしたっけ?????

 

英語の授業とかで「なんのために来たんですか~」、「住むところはどこですか~」、「どのくらい滞在するんですか~」などなど練習しましたよね?
昨年訪れたロンドンのガトウィック空港はしつこいくらい聞かれましたよ。

 

今回の入国、なんも会話しませんでした。

空港職員に話しかけたのですが「あぁ~?大丈夫っしょ。忙しいから早く荷物取りに行きなさいよ」みたいなこと言われました。

ひっどいわ。さすがチェコの職員(笑)
(チェコ人は何かと自虐的な話をするのですが、その中の鉄板ネタとして、チェコのお店などで働いている人の態度が悪いというのがあります。空港職員や外国人警察、駅員さんなんかもこれの対象です。)

しかし潜伏期間が2週間のコロナウイルスといえど、学校も始まりますし、ずっと空港にいるわけにもいきません。
仕方なしに荷物を取り、友人宅へ向かいました。

 

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2週間後

さすがに2週間たってます。
正直保菌していたらやばいな~と思っていたのですが、中国人の彼も入院した翌日には検査でコロナウイルスでないことが分かり、すぐに連絡をくれました。

ホントよかった。

 

彼と、上海で一瞬助けてくれたおっちゃん以外の中国人と深く関わっていないことに加えて、マスクはもちろん、手や顔をずっっっっっっっと除菌してましたし、水もこまめに飲んで、頻繁に手を洗いにも行きました。

座席回りや持ち物も、触りそうなところはこまめに除菌です。
そしてお手洗いにはきちんとアルコールが置いてありましたからもう完璧です。

私にできることはすべてやりました。

 

そして中国人の彼は、予定していた日程が全てパァになった挙句、ぶち込まれてた西安の病院から杭州に強制送還されたのだそうです。

可哀想で仕方ないです。
ビザ取るのも大変だったし、もう旅行準備めちゃくちゃ時間かかった話をしてましたから。
しかも「プラハもシチリアも楽しみ楽しみ~!!!」って感じでテンションMAXだったのに……。

自分のことじゃないのに悲しい。

 

一緒にビール飲みたかったです。というか助けてくれたお礼をしたかった……。

再来月から日本で就職が決まっていますので、すぐにとはいきませんが、絶対中国に遊びに行こうと思います。

というか今回ホントは帰りのトランジットで少し中国国内で遊ぼうかと思っていたのにこんなことになってしまって……。
中国は友人だけががどんどん増えているここ数年です。一度も現地に行ってないのに。笑

昔から旅行したいと思っていましたが、いつになったら私は中国へ遊びに行くことができるのでしょうか。

 

この一連の話を最初から読む↓

 

 

この記事のサムネイルについて

Instagramでは留学中の写真をまとめています。

これらをトリミングしブログのサムネイルに使用していますので、興味のある方はぜひのぞいてみてください。

こちらの方が画質よく見ることができます。

 

 
 
 
 
 
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